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リポジトリ登録5000件目記念インタビュー
Q.「Marginal bone loss and the risk ...」はどのような内容ですか?また、この研究を始められたきっかけを教えてください。 無歯顎のインプラント患者さんに適用する、歯科医師が取り外しできる術者可撤式テレスコープ固定性補綴装置というものがあります。これは本学のインプラント科で特有の補綴装置で、飯島臨床教授が2002年に使用を開始し、インプラント科の開設当初から使用していたという背景があります。皆の臨床実感では優れていると分かっているのに、世界的にもほとんど研究されていないのが現状でした。 Q.現在進行中の研究について教えてください。 長期的に安定するインプラント治療とは何か、さまざまな視点から多角的に分析するという研究をしています。というのも、講座では、指導医の先生から一時的な治療結果ではなく、長期経過を見ることが歯科医師として大事だとご指導いただいてきました。しかし私は10~20年の経過を前向きに追うなんて、待てないと思っていました。そこで、指導医の先生方の長期治療結果を客観的に分析することで長期安定する治療を割り出せるのではと考えて、調査を行なっています。 Q.今回登録した論文は、購読誌に掲載の論文でしたが、 著者版原稿を登録することでオープンアクセス(OA)を実現できました。このようなOAにするための手間、OAにすることによる可視性の向上、著者版原稿を公開することについてはどのように思われますか。 確かにOAにするための手間はありますが、多くの方に読んでもらえるので論文の認知度も広まりますし、ジャーナルでオープンアクセスにするにも、高い費用がかかるので、リポジトリでオープンアクセスにする方法はとてもメリットが大きいと思います。特にこの論文の場合は、本学のインプラント科で特有の補綴装置の有用性を、いろんな方に知ってもらいたかったので、有難いです。 Q.先生の学位論文はゴールドOAジャーナルであるPLOS Oneに投稿されていますが、著者が負担する投稿費用が高額だとしても、このようなジャーナルへ投稿する(=OAにする)意義についてはどのように思われますか。 学位論文ですので、その当時はジャーナルに載せてもらうということに一生懸命で、OAについてはほとんど意識できていませんでした。今考えると、閲覧引用をしてもらいやすくなるということの他に、閲覧数引用数もリアルタイムに、はっきりと見て分かるので、論文掲載後の客観的評価がしやすくなっている気もします。 Q.リポジトリに登録・公開された論文をどのような人に読んでもらいたいですか? この論文は本学のインプラント科で特有の補綴装置を広めたいという内容なので、本学の先生方はもちろん、この装置のことを知らない国内の歯科医師の多くの先生方に読んでもらいたいです。掲載号のカバーページに採用されたこともあり、学会でこの論文を読んだという方から声をかけてもらえることもあります。 Q.現在、図書館では歯科関係の海外雑誌は電子ジャーナル、冊子体の両方を購読が半数、電子ジャーナルだけを購読が半数ほどですが、その方針についてはどのように思われますか。 私自身は冊子体で論文を読みたいとは思っているのですが、学生さんや若い医局員は電子ジャーナルで読むことが当たり前になっています。そういった時流に乗り遅れないように極力、電子ジャーナルで読むようにしています。実際に論文を書くとなると、検索や引用ができる電子ジャーナルが非常に便利です。 Q.研究の過程で必要な文献が電子ジャーナルで入手できない場合はどうしていますか? 大学院生の頃から図書館に複写依頼をするようにしており、非常に助かっています。Google Scholarで検索したりもしますが、見つけられない時はあきらめることもあるのですが。(図書館注:あきらめないで、図書館にご相談ください) Q.図書館に期待することがあればお願いします。 すでに絶版になっている歯科関係の50-60年前くらいに出版された古書を読みたくて、しばしば探しますが、オークションなどで探してもなかなか手に入れることがでません。そんな時、図書館で探すと必ずあるので、本当に有難いです。 Q.これから歯科医師・研究者を目指す学生にお勧めする本があればご紹介ください。 研究で指導をしてもらっていた吉成先生の著書です。読みやすいコラムもたくさん掲載されているので、研究を好きになるヒントがたくさん隠されています。楽しく読めるはずです。ぜひ読んでもらいたいです。 インプラント材料Q&A : 臨床の疑問に答える吉成正雄著 ; マテリアル編, クリニカル編. -- 医歯薬出版, 2017. ![]() ![]() 小田先生お忙しい中ご協力ありがとうございました。
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