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【Open Access Week 2012 特別企画】突撃!となりの研究室 2日目

Open Access Week 2012 特別企画として、5日間連続、研究者インタビューを実施いたしました。

2日目は、物理学の望月先生の研究室にお邪魔して、お話を聞いてきました。

(右)望月先生(左)インタビューに同席した阿部さん

1.オープンアクセスを実現するなら、リポジトリ登録可能な雑誌に投稿しますか?そもそもオープンアクセスな雑誌に投稿しますか?

リポジトリ登録可能な雑誌に投稿します。私の研究分野では、arXivと呼ばれるデータベースがあり、研究者は誰でも無料でそこに投稿することが出来、また、投稿されている論文を無料で読むことができます。そういう意味で私の研究分野ではオープンアクセスであることの意味は比較的薄く、雑誌にはむしろ「信頼性」が求められています。そして、現状では私の研究分野の信頼性のある雑誌はオープンアクセスではない場合がほとんどです。また、本学には物理学分野の雑誌所蔵がほとんどありませんが、arXivを利用することで、ほとんど事足りています。arXiv以前の古い文献の入手はILLを利用したり、千葉大学などの図書館の蔵書(紙媒体)を利用したりすることも多いです。

2.現在取り組んでいる研究のことを教えてください!

量子力学といって非常に小さいものを扱うときに必要となる物理学の分野があります。量子力学は20世紀前半に生まれ、現在までに数多くの実験で確かめられているだけでなく、ITなどの技術の基となっているものです。そういう意味で量子力学の正しさは疑いようがないのですが、一方でその基本となる部分に哲学的とも言える大きな問題をいくつか抱えています。私が現在これらの問題に取り組んでいる、というのはとてもおこがましいのですが、少しでも貢献できるところがないかと悪戦苦闘しています。

3.さいかち坂校舎図書室への希望はありますか?

学生の利用率を高めるために、学生の希望をくみ取りそれに答えていくという事は大切なことだと思います。しかし、それだけではなく、あまり利用されることがなかったとしても「良い本」をそろえることもまた重要だと考えます。最近では本の購入はもっぱらネットで、という学生も多いのではないでしょうか。ネットでの購入は便利な反面、他の本の背表紙を見ることがありません。いろいろな本の存在を知り、いつか機が熟したときにそれを手に取る事ができる場所としての図書館も大事にしたいものです。

望月先生、ありがとうございました。