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【Open Access Week 2012 特別企画】突撃!となりの研究室 4日目
1. オープンアクセスを実現する場合、OA雑誌とリポジトリ登録可能な雑誌のどちらを選びますか? リポジトリ登録可能な雑誌に投稿します。 日本の雑誌でOAが進まない理由には、日本の学会がOAについての認識が少ないことが挙げられると思います。学会会費は雑誌の印刷と作成のために多く使用されるので、学会誌に発表した研究成果は多くの人に見てもらえる様に、電子ジャーナル化してOAにするのが良いと思います。電子ジャーナルとすれば、印刷費用も浮きます。 2.本学のリポジトリについては、どのようにお考えですか? 衛生学講座では2003年から講座のAnnual Reportを本学リポジトリに登録していますが、学内外にもっとOAやリポジトリ登録の意義を広める必要があると思います。例えば、県や市などから依頼を受けて、共同で歯科に関する調査を行う機会がありますが、調査の報告書は冊子体にまとめられるものもあれば、予算の関係で冊子にしないものもあります。つまり、調査結果やデータが公開されない場合があるのです。公共機関として広く公開すべき情報、公開すると役立つ情報があるので、大学として調査結果をリポジトリに登録することで公表出来たら良いと思っています。ただ、調査報告書などの著作権は依頼元の自治体にあるので、こちらからデータをリポジトリに登録して公表したい旨を伝え、理解してもらうことが出来れば実現可能だと考えています。 3.先生の日々取り組まれている研究について教えてください! 疫学調査をいくつか行っています。疫学は結果の予測が不可能で、例えば口腔内の病気は「この菌がいたら、この病気が絶対起きる」というわけではなく、生活習慣と深い関わりがあります。現在取り組んでいる調査のひとつは、子供たちの食習慣を調べる公衆衛生活動です。子供たちに食べ物のすき・きらいや行動に関するアンケートを取り、そのデータとむし歯のデータを用意して、日々の行動が口腔内でどういう病気を起こすか、という関連を調べる事が出来ます。ミュータンス菌が多い子供はむし歯が多いわけですが、例えば、朝ごはんを食べない子供はむし歯が多い、というような結果が出たりします。(いるか、びっくり!) このような結果から「朝ごはんを食べない」からむし歯になるわけではなくて、「朝ごはんが食べられなくなる」というライフスタイルや食事の時間が一定ではない、などのリスク因子が見えてきます。このような調査は、学校歯科医などに伝えて保健指導に役立てられますし、動物実験などでは分からない「人のくらし」に関することが見えるので面白いと思っています。 また大人に関することとしては、今後多くの人に歯周病の予防処置を受診してくれるような取組を行いたいと考えています。例えば糖尿病「予防」のために内科を受診する人はいないと思いますが、歯の病気は「予防」することが出来ます。歯医者と聞くと、多くの人は「ギーー!」という音や痛い思いをするイメージがあるかもしれませんが、そうではなくて疾患が予防出来ない病気(例えば歯周病など)の予防処置を定期的に受けに行くと、歯周病は初期段階からかなりコントロール出来ます。そのような取り組みを水道橋キャンパス移転後に行いたいです。 4.図書館のキャンパス移転について展望を教えてください。 図書館長としては、図書館が情報を発信する情報センターになってほしいと思っています。水道橋病院が高度先進歯科医療センターとなるので、そこに行けば最新の歯科医学情報が全部そろう、また大学の先進的研究や教育内容も分かるし発信できる、そんな「歯科医学情報センター(Centre of Dental Informatics)」を目指したいと考えています。 松久保先生、ありがとうございました。
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