| ||||||||
![]() |
![]() |
|||||||
|
|
【Open Access Week 2012 特別企画】突撃!となりの研究室 5日目
1.オープンアクセスを実現する場合、オープンアクセス雑誌とリポジトリ登録可能な雑誌のどちらを選びますか?またその理由を教えてください! 理想としては、オープンアクセスな雑誌に投稿したいと考えます。オーラルメディシンは歯科だけではなく、歯科衛生士、看護、医科全般に及ぶ内容が多いので、なるべく多くの人に読んでもらいたいと思っています。ただし現状では、雑誌のネームバリューや内容を第一基準として投稿雑誌の候補を選び、その中から投稿先を選ぶ際の判断材料のひとつにオープンアクセスがあると考えています。 2.現在取り組んでいる研究のことを教えてください! 既存の研究のうちの1つは口腔粘膜の免疫の研究です。金属アレルギーや自己免疫疾患の口腔粘膜での免疫反応、感作についての研究を、皮膚科の高橋教授と合同チームで行っています。口腔粘膜は様々な物資と接触し、また、角化細胞の代謝が早いため抗原抗体反応で攻撃されやすく、全身的な病気の初発症状が出やすいところです。そのため、口腔粘膜の研究では免疫の研究が重要になります。摂食嚥下の研究も行っています。口腔機能の訓練だけではなく、脳のミラーリングという新しい機能を使って視覚から脳神経を賦活し、さらに反射を使って摂食嚥下機能を賦活するというものです。 新しい研究として、メタボローム解析を使用した研究も始めています。4~5年前から、唾液中のバイオマーカーで口腔がんの早期診断する、つまり見てわかる状態になる前の小さいがんを発見するという研究をしています。この研究を今後も継続・発展させていくためにメタボローム解析を使用しています。メタボローム解析を使えば、1つのがんの解糖系が一気に分析できます。口腔がんだけではなく消化器がんにも応用できるので、唾液中のバイオマーカーから膵臓がん、肝臓がんなどの比較的見つかりにくいがんを、歯科の分野から発見できないかと考えています。 3.今後、どの分野の方と研究したいですか? 市川総合病院は他のキャンパスでは知り合えない先生方がたくさんいるので、なるべく多くの科と関連したテーマで研究を計画したいと思っています。それが市川総合病院の中にオーラルメディシンの講座がある意味だと思いますし、他の大学に無いオンリーワンの研究ができると思っています。 4.講座の方に伝えていることを教えてください。 医局員に伝えていることは、仕事は楽しくしよう、チームワークを大切に、アカデミックにやろうということと、白衣の前は閉めましょうということです(笑) 臨床が中心の病院の中に存在しますが、オーラルメディシンは大学の中の講座です。大学人としての研究マインドは、研修医をはじめとする全ての医局員に持っていてほしいのです。また、アカデミックに研究するためには文献を調べることが重要です。科学的なことを発言するときには、きちんと調べてから発言する。疑問に思ったら自分で調べて解決する。そのために図書館がある、と伝えています。 5.移転後(今後)の図書館への希望はありますか? 千葉校舎の蔵書全てを水道橋校舎へ移動することはできないと思います。オンラインで見られるものもありますが、やはり紙媒体で見ないとわからないこともあります。そのため、どのキャンパスにどの資料があるのかわかりやすくしてほしいですし、それぞれのキャンパスで所蔵している文献の相互利用がもっと便利になるといいと思います。それから、図書館の使い方をもっとアピールしてほしいです。また、学生が水道橋キャンパス周辺の他大学の図書館を自由に利用できるような相互利用の大学間協定が結べたらいいですね。教養課程の学生は勉強の幅が広がると思います。 片倉先生、ありがとうございました。
|
|||||||||||||||||||||
|