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Open Access Week 2015 特別企画 三者連続研究者インタビュー
Q.現在取り組んでいる研究について教えてください。 口腔インプラント学を一つの学問体系にするために、基礎的な研究を積み重ねています。口腔インプラントは治療だけが先行していて、実情は学問として成り立っておらず、教科書によって書いてあることもバラバラです。例えば、オッセオインテグレーションについて、その言葉が何なのか、なぜオッセオインテグレーションが成立するのかなど、全くコンセンサスが取れていません。これは一つの例ですが、学問にするためには、基礎的な研究、裏付けがなければダメだというところから研究が始まりました。 Q.思い出の研究について教えてください。 骨粗鬆症患者の母床骨を改善するために、チタンインプラントにビスフォスフォネートをくっつけて、それを徐放する研究を行い特許も取りました。ところが、3年ほどでBRONJの問題がでてきてしまい、今は研究を継続していません。必ずや復活する日がくると信じています。 Q.オープンアクセスについてご意見、感想をお願いします。 正直申し上げて、論文の投稿先を選ぶ際に「オープンアクセスであること」を意識したことはありません。まずは査読制度がしっかりしているかどうかを重視します。査読がしっかりしていると査読による意見も厳しく、そうしたフィードバックによって研究論文もブラッシュアップされて良い方向に仕上がるためです。オープンアクセス雑誌は、今後増加して欲しいと思いますが、その際、適切な査読の場があるか等を重視したいと思います。また、高額な掲載費用になる可能性があると思いますが、国あるいは大学レベルでの補助が必要と思います。 Q.図書館に期待することがあればお願いします。 5つの図書館を管理運営しており、大変な苦労をなさっていると思います。図書館が分散しているので、どの図書をどの図書館に配置すれば良いか、今しばらくは貸借の状況等を調査して、検討していただきたいと思います。また、雑誌は電子ジャーナルで対応すれば問題ないと思いますが、インターネットでどこからでもダウンロードできる環境を整えて頂ければありがたいです。 Q.若い研究者や学生にお勧めする本があればご紹介ください。 弁証法の諸問題私が学生時代に感銘を受けた本です。経験論的段階、実体論的段階、本質論的段階と段階的に進んでいくことで科学は本質へと近づくというのが弁証法です。この弁証法を研究にも応用すれば、現象だけをつなげて無駄に研究が増えていくということもないかと思います。弁証法を胡散臭いものだと思わず、もう少し身近なものになって欲しいと思い、今回お勧めします。
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